健脚研究会

Trail runningと旅のブログ。次の冒険に向けて今日も走る♪

低体温症の恐怖と向き合う本

今回紹介する本は「凍る体」。ホラー小説のようなタイトルですが、「低体温症」に関するマジメな解説書。著者の遭難体験を踏まえ、低体温症の症状・原因・予防について、科学的な説明が詳しく書かれてあり、とても説得力のある一冊でした。でも、ちょっと怖いです。

最近”パタゴニアの悲劇”に関する記事を読んだんです。南米最北端のレースで起きた、悪天候により低体温症を発症させたランナーの事故に関する内容です。この記事で、改めて低体温症の怖さを感じています。今まで、低体温症について、寒くなって動けなくなる程度の、漠然としたイメージしかなかった。記事をきっかけに、トレイルランナーの端くれとして、もっと深く、低体温症の知識を持っておかなきゃいけない と強く思い、関連コメントの中で紹介されていた、本書を読んでみました。

blog.livedoor.jp

本書「凍る体」は、以下の2章構成となっています。

第1章:クレバスへの落下

①雪山で落下したクレバスからの生還

 27mも落下した隠れクレバスからの奇跡的に救出される様子が生々しい。

②長く苦しいリハビリによる回復

 半身まひ・中度の脳障害などの状況から、徐々に回復する人間の力に驚かされる

第2章:低体温症

③低体温症の解説

 低体温症の症状、発生原因と予防に関する解説が詳しい 

 

読書は、知りたい所だけ読む方なので、目次を見て、③だけを読もうとしていた。が、①で書かれてある雪山遭難の場所がモン・ブランであり、UTMBのスタート地点であるシャモニや展望台エギーユ・デュ・ミディにも触れられているので、まず①を読む。著者が奇跡的に生還する様子が、同行者の手記と挿入図により、詳細に生々しくつづられていて、本書に引込まれました。

その後、本命の③に目を通す。低体温症についての説明、そのメカニズムと予防法が論理的に示されいる。説明の多くが、簡易な表現を使って書かれてあるので、知識がないボクでも、非常にわかりやすく読むことができた。そして、多くの事故事例と解説により、理解が深まる。サブタイトルにある、「低体温症の恐怖」を感じずにはいれません。ちなみに、防寒としての飲酒は皮膚血管を拡張して、体の熱がより多く失われるので危険。寒い時にはアルコールを飲んだ方が、体温が温まって良いのだと思っていたが、それは誤解だと本文中に書かれていました(汗)。

この③の低体温症に関する解説が、とても読みやすく気に入ったので、ついでに②も読んでみる。これが良かった。リハビリ中のエピソードや心の変化が丁寧に書かれています。それらの内容が、心に響き、読んでいて温かい気持ちになる。人間の体は不思議な力を持っている事を強く感じさせられました。

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以上、「凍る体」についての紹介でした。低体温症の知識を論理的に理解できるとともに、物語としても楽しめる本になっています。低体温症を知るための取っ掛かりとして、多くのトレイルランナーに、おススメしたい本です。 

 

 ご意見・ご要望はお気軽にコメント下さい。

では、また。

UTMB2019冒険記の目次

UTMBを目指す市民ランナーの為の記事。レースの様子、シャモニへの行き方、宿泊、必要費用などについて、2019年参戦したことを書いています。興味あれば覗いてみて下さい♪

https://www.kenkensblog.info/entry/2020/05/01/000000