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【読書】初心者ランナーがサハラマラソンに挑戦!?:高野秀行「世にも奇妙なマラソン大会」

サハラマラソン、ウルトラ系大好きランナーなら、砂漠を舞台とするステージレースを頭に浮かべるかもしれませんが、本書は全く別のレースの話。辺境冒険作家(世界の辺境地域を主戦場とする冒険作家)である高野秀行氏が選んだレースは、期待通りぶっ飛んでいました。

ユニークなマラソンを求めて、入力した検索ワードが「アフリカ・中東 マラソン」。そんなありえないキーワードでヒットした「サハラマラソン」は、サハラ砂漠を走る所までは想定通りだけど、開催場所が西サハラの難民キャンプ兼ゲリラの拠点っと、とってもきな臭い。普通の人なら引いてしまうところが、”面白すぎる!”っとノータイムポチりするのが著者のすごい所。本書「世にも奇妙なマラソン大会」は、そこからレースまでの約3週間で展開される珍道中、エンタティメント・ノンフィクションです。

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最長15キロしか走ったことの無かった著者が、挑む初マラソン。予想通りボロボロになりながらも、アジア代表として、砂漠を駆け抜ける勇姿には胸が熱くなりました。世界中から集まったランナーとの交流、マラソンを共に走った後の一体感は世界共通で、ランナーなら共感できること請け合い。ちなみに、参加者は約230名。優勝タイム2時間42分だそうです。

砂漠の砂に関する表現が巧みなのも良い。「サハラの砂は、海辺のものよりも数段細かい。綿埃(わたぼこり)のように、踏むとぱふっと煙があがる。」「砂漠はなんて複雑なんだろう。てっきり単調だと思っていたら、呆れるほどそれぞれの地面に個性がある。」いつか、砂漠体験をしてみたいですねぇ~!

西サハラの社会情勢や、難民キャンプでの人々の暮らしも、本書で触れられていて、日頃触れない世界を垣間見ることができます。いろいろな視点で楽しめる一冊、おすすめです。

 

本書のサハラマラソン(英文:SaharaMarathon)、ホントに実在するチャリティマラソン大会でした。ちなみに、日本でも良く知られるステージレースのサハラ砂漠マラソン(開催地:モロッコ)の英文名称はMarathon des Sables (MDS)やペナルティのワッキーが参加して話題となったサハラレース(開催地:エジプト 英文名: Sahara Race)とは、全く別物です。

 

参考1:サハラマラソンの大会HP

SaharaMarathon

 

参考2:サハラマラソンの日本人向け募集ページ

サハラマラソン チャリティーランナー募集(その他、海外 アルジェリア) - スポーツ大会の検索&参加申込みなら「スポーツエントリー」

 

参考3:サハラ砂漠マラソン(ステージレース) のHP

36ème MARATHON DES SABLES - Site officiel

 

 参考4:サハラ砂漠マラソン(ステージレース)の日本人向けHP

国境なきランナーズ(RWB)[レース情報:サハラマラソン]

 

 参考5:サハラレース(ステージレース)

RacingThePlanet | 4 Deserts Ultramarathon Series

 

今まで砂漠マラソンに興味がなかったけど、いつかサハラに行ってみるか、ちょっとワクワクしています♪

ボクも混乱したので、サハラマラソンをまとめてみた↓↓

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では、また。

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UTMBを目指す市民ランナーの為の記事。レースの様子、シャモニへの行き方、宿泊、必要費用などについて、2019年参戦したことを書いています。興味あれば覗いてみて下さい♪

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