健脚ラボ

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【読書】メディアに翻弄されたランナー達の物語/クレージー・ランニング

タイトルの「クレージー・ランニング」と表紙の「日の丸ランシャツ」のインパクトに惹かれ、思わず図書館で手にした本。高部雨市/著。発行2017年。副題、「日本人ランナーは何を背負ってきたのか?」。

先日この本を、内容も見ずに衝動借りしたら、期待以上に読み応えがあった。

内容は、マスメディアによる賞賛と期待と一過性の大騒ぎ、それらに翻弄されたランナー達やイベントについてのルポルタージュ。

焚き付け・煽り・たらし込む、メディア報道の弊害。そのマスメディアに翻弄されたランナー達への丁寧な取材とインタビューに基づく内容は、とても濃く重いです。

6章構成で、主な話は以下。

  1. 1964年東京オリンピックのマラソン競技3位の円谷幸吉氏、その後の悲劇
  2. 1968年メキシコ大会2位君原健二氏、盟友円谷氏とメディアへの思い  
  3. 1980年代活躍した中山竹通氏、瀬古利彦氏・陸連・メディアへの複雑な想い
  4. 女子マラソン界で世界と競った高橋尚子氏、有森裕子氏などの小出義男チームの裏舞台
  5. 箱根駅伝。感動を強調しすぎる報道への違和感
  6. 市民マラソンのショービジネス化 2007年の第1回東京マラソンやホノルルマラソンの観光化などメディアによる弊害

ボクが2009年にマラソンを始める前の出来事。本書に出てくる超スター選手たち、その名前ぐらいを知っている程度なので、書かれているエピソードは知らないことが多く、すんごく楽しめた。

君原が自殺に追い込まれた背景や、中山と瀬古の当時の扱われ方など、興味がある方は読まれてみると面白いと思います。

「社会の表層から置き去りにされた人々のルポルタージュを描く」との著者紹介に、納得の内容でした。

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実は本書、巻末に追録のエピソード約40ページが付いている。タイトル「野生の魂」。

著者の走る世界の原点として、オーストラリアのポートシーを拠点として行われていた、パーシー・ウェルズ・セラティ(Percy Well Cerutty)のトレーニングキャンプへ、19歳の時に参加した日々が綴られている。

本書はどうもこちらが肝のようだ。クレージーランニングのタイトルも、この時のセラティとの強烈な体験に繋がっているのだろう。

ネットで調べたところによると、パーシー・ウェルズ・セラティは、1960年ローマオリンピックの1500mで金メダルを獲得したオーストラリア代表のハーブ・エリオットらを育てたことで、当時は賞賛された人物(らしい)。

Percy Cerutty - Wikipedia (ウキペディアに掲載されている本人写真は迫力がある。)

本書によると、自然環境でのトレーニングを行い、野生の動物たちの動きを根底に、独自の走り方を作り出す。また、子供、アボリジニを模範とした体の動きを追及するスタイルを好んだようだ。型にはまったトレーニングでなく、陸上競技とは、感情のほとばしりを与えるものと、とらえる人とある。

日本から出向いた著者は、キャンプに参加早々、走る姿が「人為的な走るという概念の中で動くゾンビでしかない。」、と評される。1969年のトレーニングキャンプでの指導は、現在の合理的な指導とはかけ離れて異色。

パーシー・セラピーは、選手たちにどうやってトレーニングするのかを教えたのではなく、いかに人生を生きるかを教える。そのやり方は、当時は、かなり異端児扱いだったようだ。が、実績が出て評価が変わったみたい。

実はボクも、この追録の章は、精神論が強烈すぎて、流し読みだった。突拍子すぎて、理解できなかった。

手持ちの本にセラティの事が書かれているものも見つかった。神秘的な言葉で表現されていて、少し抵抗感があったが、よくよく考えると理にかなっている所もあるかな?と、ちょっと思い始めている。

もうちょい調べて、できれば別の記事にする予定です♪

 ご意見・ご要望はお気軽にコメント下さい。

では、また。

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UTMBを目指す市民ランナーの為の記事。レースの様子、シャモニへの行き方、宿泊、必要費用などについて、2019年参戦したことを書いています。興味あれば覗いてみて下さい♪

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