幻覚。ナイトパートのあるロングレースで体験する人は多いですよね。そして、レース後に、幻覚自慢が始まるのは、ウルトラトレイルあるあるでしょう。
ちょっと前だけど、フェイスブックの海外UTMB2022グループに、レース中の幻覚体験が書き込まれてて、外国人が見えているものは日本人の感覚とちょっと違って面白いなぁ～と思った。それで、幻覚（Hallucination)関連の海外記事もチェックしてみたので、これらを紹介してみます。
茂みの中に、裸の女性なんて、、、、海外の方は想像力が豊か。。。
１．UTMB2022グループでの幻覚体験コメント
フェイスブックの海外UTMB2022グループに書き込まれていた、UTMB2022中に見た幻覚体験のコメントです。「実際のもの」⇒「見えたもの」、を下に示してみました。最後のフィニッシュ地点の風景幻覚はネタっぽいけども、蛇、ネズミ、海賊船などは、周りのランナー仲間からも聞いたことがない。環境や文化の違いなんでしょうね。
- 前行くランナーのバックパックから、猫が飛び出た
- 根っ子 ⇒ 蛇
- 白い岩 ⇒ 地面から飛び出す巨大な歯
- 地面の石・岩 ⇒ ネズミ
- 木の葉 ⇒ ネズミ
- 岩 ⇒ 有名人の顔
- 雲 ⇒ 海賊船
- 岩 ⇒ テント、建物
- 地面の石 ⇒ 白いちょうちょ
- 葉っぱ ⇒ お札
- 木々 ⇒ 家、人、車 応援者
- 木々 ⇒ レストランやバーにいる人々（まるでシャモニーに着いたかと思った）
２．記事紹介
幻覚関連でチェックしてみた海外記事２つ、概要を少し紹介。
記事１：ウルトラランニングでの幻覚、どう対処する？
幻覚は期待と欲求の現れ、エネルギー不足が原因、少しでも寝ることなど、書いてある内容に共感できることが多かった。
Ultrarunning Hallucinations Happen. Here's How to Deal With Them - Trail Runner Magazine
・２日目の夜になると、参加者の1/3は経験している。記憶が曖昧で忘れている人もいるので、実際はもっと多いはず。
・幻覚は、期待と欲求の現れ。脳は視覚と経験から、都合よく組立るものなのだ。
・幻覚への対処として以下を提案
- エネルギー補給：酸素と糖分の不足が脳を狂わせる
- できるなら少し睡眠をとる：２０分でも寝ると頭がすっきり
- 妄想しない：お化けがでそうと妄想すると、お化けが見えるのと同じ。
- トレイルに集中：意識散漫は幻覚が起きやすい
- ペーサーを付ける：内省的な状態から外の世界へ繋げ助けてもらえる
- 冷静を保つ：幻覚を見るのも当たり前な非日常体験 恐れなくても大丈夫
記事２：ランニング中の奇妙な幻覚体験
５つの体験談。各体験に添えられたカラフルなイラストが海外ぽくて面白い。幻覚が出てくるのは、やっぱり２日目の夜が多いなぁ。
Running hallucinations: 5 funny and frightening examples
- 水場の中の石ころ ⇒ 人間の頭
- 岩肌 ⇒ 猫と人間の顔
- 葉っぱ ⇒ 枝にぶら下がるチキン
- 茂み・やぶ ⇒ 芝刈り機、銃を持った裸の女性
- 岩肌 ⇒ 豚、老人、カエル、片側を爆破された雪だるま
３．個人的な幻覚体験
夜道に茂っている木々や葉っぱが、動物やうずくまっているランナーに見えるのは、やっぱりよくある。
特によく覚えているのは、UTMF2018の２回目の夜。木陰の中で夜空に浮かぶ満月に近い月が、夜間の道路工事などの照明に使われるバルーンライトみたいで、それがエイドの灯りに見えたこと。角度が変わって正体が分かった時には、落胆。まさに願望の現れですね。
覚悟していたUTMB2019では、幻覚を見た記憶はありません。２回目の夜にエイドで仮眠を約15分取ったのが大きいと思います。カウベルの音が聞こえてエイドが近いと何度か騙されたけど、それは放牧の牛が付けたカウベルだったので、幻聴ではないはず（たぶん）。
補足
以前紹介した本「登山の運動生理学とトレーニング学」にある、TJAR(トランスジャパンアルプスレース）の参加者のデータでは、早い人で２日目の夜から幻覚・幻聴を体験しているとあります。また、炭水化物の補給が足りていないと、幻覚・幻聴が起こりやすいと、考察されています。
【読書】トレランにも有効な情報がぎっしり詰まった登山の運動生理学の本 あのトレラン選手を指導した教授の著書 - 健脚ラボ
ご意見・ご要望はお気軽にコメント下さい。
では、また。
UTMB2019冒険記の目次
UTMBを目指す市民ランナーの為の記事。レースの様子、シャモニへの行き方、宿泊、必要費用などについて、2019年参戦したことを書いています。興味あれば覗いてみて下さい♪
