健脚ラボ

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【読書】ドイツはウォーキング天国!? 欧州縦断4000km「歩く旅」の本

ドイツはウォーキング・ハイキング環境が充実している!ボクは初めてしった。

”歩き”、”ヨーロッパ縦断”のキーワードに惹かれ、タイトル借りした「夫婦で歩き描いたヨーロッパ縦断4000km」山浦正昭著。欧州ハイキングの魅力が詰まった、期待以上に面白い一冊でした。

本の内容は、デンマークの最北端スカーエンから、ドイツ、スイスを経て、フランス南部のニースまでのヨーロッパ徒歩縦断約4000キロ、ご夫婦2人で歩いて旅をした紀行文。夏休みに約1か月間、1日20~30キロで毎年約400キロ、前年の終着点から再び歩く、このスタイルを10年間続けて達成。通過した国や土地で触れた、地域文化、食事、ワイン、宿泊、観光そして出会い、など、スケッチ図と写真と共に丁寧に書かれてあり、ちょっとしたガイドブックにもなっています。

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コースがいまいちピンとこないので、記載されている毎年の辿ったルート図を、つなげてみたのが下の図。赤線が本書のルート。クロ丸が各年の発着点。この図を見ると、10年で歩かれた4000キロが、ホントにスゴイ距離だと感じます。ちなみに、九州最南端から北海道最北端までの距離は、約3000キロです。(青線は、欧州でメジャーなロングルート「GR5」)

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本書を読んで、ドイツのワンデリング環境が充実していることを、初めて知る。

ドイツのハイキング・ウォーキングについて、本書によると「コースの大半には歩く旅の道としてのコースが設定され、標識がつけられ、しかも歩いていける距離には連続して宿泊施設(ユースホステル:YH)がネットワークされていて、誰もが楽しみながら歩くことができる。」、なんだそうです。また、ドイツのコースは、基本平坦で歩きやすく、田園、ぶどう畑、広大な高原地帯、古城、などコースは多彩とある。

YH発祥のドイツ。著者がYH協会関係者でもあり、古城がYHの宿舎として活用されてる所など、泊まってみたくなるYH情報が満載。YHに対しては、どちらかと言えば質素な安宿的なイメージしかなかったけど、とてもとても興味が出てきました。ドイツ、歩いてみたいですねぇ~

 

はて?ドイツ人はハイキング好きなの??

ちょっとネットで検索してみると、「2017年の統計によると、ドイツ人が好むスポーツは、上位からジョギング、ウォーキング、フィットネス、水泳、自転車、ボディ・ビルディングの順で、その次にサッカーが続く。上位を1人でできるスポーツが占めている。」だそうです。

また、ドイツのハイキング・ウォーキングの取り組み状況について、以下の記述もありました。

  • ドイツ人の2人に1人がハイキングやウォーキングを趣味にし、1人あたり年間平均5.2回実施
  • 目的は87.3%が「自然を体験すること」、72.2%が「体を動かすこと」、64.4%が「健康のため」
  • ドイツ人にとって、自然の空気を吸いながら「歩く」という行為は生活習慣の一つであり、そのために必要な様々な情報ツールが提供されている。

ドイツはウォーキング天国♪

ちなみに、情報ツールの例が、下のドイツハイキング連盟のHP。情報が充実していて、とても役に立ちそうな感じ。ドイツ語なので分かりにくいですが、ドイツ全土に広がる散策マップは一見の価値ありです。

www.wanderbares-deutschland.de

さて本書ですが、1年目は牧草地が広がるデンマークの旅、2~6年目が歩く道も宿もきめ細かくネットワークされたドイツの旅(5年分)、7~8年目がオーストリアアルプスと湖のスイスの旅、9~10年目がアルプスとグルメの国フランスの旅。各国の特徴がふんだんに描写されていて、読んで楽しい内容です。

特に、本書後半にある、スイスのレマン湖からモンブラン・アルプス周辺は、スイス/レマン湖周辺のリゾート地の雰囲気、アルプス山脈の美しくも険しいコースなど、UTMB時の記憶が蘇ってワクワクでした。

 

自分の体を使って、自分のペースで好きなところを楽しみながら歩く。観光風靡な場所があれば、臨機応変に寄り道。時間をたっぷりとかけるがお金はあまりかからない。実に簡単でシンプルで自由な旅。そんな著者のスタイルがまたいいんです。こんな旅にあこがれています。

ヨーロッパでは普通に行われている「歩く旅」、その魅力に気づかされる一冊でした。

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ヨーロッパでは、サイクリストにも優しく、鉄道に自転車マークがある車両に自転車を載せるスペースがあるって書かれてあったので、思い出したのが上の写真。UTMBが終わった後の観光で、フランス側からスイス側へ超えるモンブラン鉄道に、自転車を固定するスペースがあったので、写真を撮っていました。ホントにうらやましい環境です。

 ご意見・ご要望はお気軽にコメント下さい。

では、また。

UTMB2019冒険記の目次

UTMBを目指す市民ランナーの為の記事。レースの様子、シャモニへの行き方、宿泊、必要費用などについて、2019年参戦したことを書いています。興味あれば覗いてみて下さい♪

https://www.kenkensblog.info/entry/2020/05/01/000000