宇宙食さば缶、2020年11月に野口飛行士がISS(国際宇宙ステーション)から投稿したYouTube動画で紹介され、しかも作ったのが企業でなくて県立高校ってこともあり、ちょっとしたニュースになったので、ご存じの方も多いと思います。
今回、この壮大な夢に挑んだ高校生たちの痛快なノンフィクションを読んで、14年も想いをつなげた生徒と教師の姿に心打たれた。そして、この宇宙食さば缶ってトレランの行動食になるんじゃね?っと感じた。そんな面白い本だったので、少し紹介します。
- タイトル:さばの缶づめ、宇宙へいく
- 副題:鯖街道を宇宙へつなげた高校生たち
- 著者:小坂康之、林公代
- 発行:2022年1月
まずは、野口飛行士が投稿したYouTube動画 初回でさば缶が紹介されています。
10回目の投稿。さば缶のアレンジ動画。さば缶のポテンシャルの高さを感じます。
本書によると、宇宙食は、2021年11月時点で、47品目が認定され、ほとんどは大手食品メーカーが開発されたもの。認証されるには、栄養があり美味しいはもちろんのこと、それ以外にも以下の要件が必要で、ハードルはかなり高い。
- 常温で1年半以上の賞味期限を有すること
- 食中毒を予防するための衛生性を確保すること
- NASAの衛生管理システム「HACCP」を順守できること
- 宇宙船内で飛び散らないように粘度が高いこと
- 微粉を出さないこと
- 特異な臭気がないこと
この高いハードル、これを公立高校がクリアして認証を得ています。このこと自体が驚き。また、高価な設備は導入できないので、知恵と工夫で乗り切る所もいい。例えば、”金属片の混入がないこと”の要求に対して、一般的には"金属探知機"を設置するところを、生徒達にもできるアイデアで代替。そんなエピソードなどが沢山でてきて、おもしろい。
そしてそして、企業と異なり、担当者が毎年変わる高校生達。幾多の困難を乗り越え、技術と思いを14年間バトンを繋ぎ続けた。このことだけでも、教師、生徒、JAXA、その他多くの関係者の気持ちが伝わり、心打たれる内容でした。
ぜひ多くの人に読んでもらいたい一冊です。
さて、トレランの行動食として、この宇宙食さば缶を見た時に、どうだろう。直感的には、いいんじゃねぇって思った。食後の後始末への心配が軽減されそう。
市販されているさば缶は、汁が多いので、食後に汁を捨てる必要がある。あと魚の生臭さも気になる。これらは、トレイルでの行動食としてちょっと不向き。
でも、本の内容と野口飛行士の動画を見る限り、宇宙食さば缶は、この点を解消しているみたい。
さらに、味について、流通しているものよりも濃い。どうも宇宙空間では味覚が変化し、地上では美味しいと感じられる味覚が薄いと感じるものらしい。ロングトレイルでヘロヘロな時に、濃い味は身に染みるだろう(たぶん)。
さすがに走りながらとはいけないけれども、ロングトレイルのドロップバッグに忍ばせるには、いいかも。特に海外レース。補給で口にすると、元気が出そう。
ちなみに、カロリーは、1缶90gで262kcal。
どうやら市販もしているようなので、試したら食レポしてみたい一品だ。
ご意見・ご要望はお気軽にコメント下さい。
では、また。
UTMB2019冒険記の目次
UTMBを目指す市民ランナーの為の記事。レースの様子、シャモニへの行き方、宿泊、必要費用などについて、2019年参戦したことを書いています。興味あれば覗いてみて下さい♪
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